菊松について
「精根つきた」という言葉があります。精根つきた時には、こんにゃく・だいこん・れんこん・こんぶなど「コン」の付く食べ物を食べれば良いと江戸時代(正德2年)に実体験を素に書かれた「養生訓」の一節です。
それほど昔から馴染みの深い”こんにゃく”は、私達の食生活において、切っても切れない存在です。
弊社もこんにゃくを造り続け、気がつけば大阪・堺の地で、四世代バトンを受け継ぐ唯一の老舗蒟蒻屋となりました。
歴史ある蒟蒻ですが、食のグローバル化、製造の効率化、そして価格競争の中でこんにゃく本来の姿も変わりつつあります。
そんな蒟蒻製造業界に置いて、老舗である弊社はどう在るべきか、何を大切にするべきか、そして守るべきか、自問自答の繰り返しの中で出した答えが「真っ当な蒟蒻を造り続ける」事でした。


素材について
例えば、自然に囲まれた広島県府中市の山中に在る肥沃な土地で2〜3年かけて育てられた有機栽培の生蒟蒻芋を材料とする。人工的な凝固剤は使用せず、木灰や貝殻の力で固める。じっくりと熟成させる為に労力や時間を惜しまない。
これらは、効率や安価を求める事とは、正反対の事柄ですが、蒟蒻が本来の美味しさと安全な食品であるために、不可欠な条件だと菊松は考えています。これは、蒟蒻だけに限らず、ところてんの主原料である天草にも通ずる思いです。
蒟蒻本来の歯触り、食感、美味しさを伝承し、それを基本に置いた上で常に新しい解釈や試みを怠る事なく、そして皆様が安心して美味しい蒟蒻料理を楽しんで頂けますよう、更なる「美味しさ」を探求しております。
その為には、更なる学びと励み、技術の向上などいくつものハードルはありますが蒟蒻屋としての誇りと志を胸に、お客様の『美味しい笑顔』を道しるべとし、これまでもそしてこれからも四代目蒟蒻屋として頑張って参ります。




